近年、ベストセラー本のタイトルが長文化する傾向が顕著になっています。日本経済新聞の記事(2024年10月19日付)によると、出版科学研究所の調査では、2023年までの直近5年間のベストセラー上位30冊の平均タイトル文字数は10.3字に達し、1960年代の約2倍になったそうです。この背景には、情報過多の時代において、読者の目を引き、内容を的確に伝える必要性が高まっていることが挙げられます。
特に、SNSやブログといったインターネット文化の影響は大きく、情報の海で埋没しないために、タイトルに詳細な説明や魅力的な要素を盛り込む手法が一般化しているようです。たとえば、安達裕哉さんの「頭のいい人が話す前に考えていること」や、大野萌子さんの「よけいなひと言を好かれるセリフに変える 言いかえ図鑑」のように、タイトル自体が本の内容やメリットを具体的に伝えている例が増えています。
他にも「学年ビリのギャルが1年で偏差値を40上げて慶應大学に現役合格した話」や「もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら」なども、「ビリギャル」「もしドラ」などと略され親しまれたベストセラーです。
これから本を書こうと考えている人にとって、タイトルの付け方は非常に重要です。まず、読者はタイトルから得られる情報をもとに購読を判断するため、具体的でわかりやすい表現が求められます。また、SNSや検索エンジンでの露出を高めるために、関連性の高いキーワードを盛り込むことも効果的です。さらに、読者の悩みやニーズに寄り添ったタイトルにすることで、共感を得やすくなるでしょう。
ただし、長いタイトルが必ずしも成功を保証するわけではありません。内容とタイトルのバランスを考慮し、過度に冗長にならないよう注意が必要です。読者にとって魅力的でありながら、内容を的確に伝えるタイトル作りを心がけることが、本の成功につながります。
そして、企業出版では「企業を代表する本」だということを忘れずに。冗長すぎる題名にしたことで、会社の評判を落としては元も子もありませんから。