何度も書いていますが、企業出版の目的は「本を売ること」ではありません。あくまでも本業に効果があることを目的にしなければなりません。本業の売上を伸ばしたい、ブランドイメージを良くしたい、投資家からの評価を上げたい、採用活動を成功させたい等々、それぞれの目的があることでしょう。大事なことは、読者を想定したペルソナをつくることです。
ペルソナとは、自社の本を読んで欲しい最も象徴的な読者のことです。ペルソナ・デザインは、お客様のプロファイルを詳細に設定する方法で、年齢や性別、家族構成、職業、年収、ライフスタイル、価値観などを考えるものです。「20代男性」「30代女性」のような大きなターゲット層ではなく、その人の生活が見えるところまで、考えます。
読者になって欲しいのは、どんな人でしょうか。
本業の売上を伸ばすのが目的であれば、当然、自社の商品・サービスを購入してくれそうな方でしょう。例えば、法人向けにAI関連サービスを提供している会社ならば、それを導入してくれる企業が対象になります。大手企業が見込客ならば、事業部長や情報システム部に読んでもらいたいでしょうし、中小企業がメインの客層であれば、社長を狙ったものになるでしょう。どちらを狙うかによって、本の表紙もタイトルも、文章の書き方も違ってくるのは想像に難くないでしょう。
最新のAI技術や専門用語は情報システム部には読まれても、中小企業の社長には響かないかもしれません。それよりも、そのサービスの導入により、どのぐらい効果があるのかを分かりやすく伝えた方が良いです。更に、ペルソナを細かく設定しておくと、普段から本を読む人なのか、出版している会社というだけで信用してくれる人なのか等々も考えられるようになります。
大事なことは、目的を明確にすること、読者のペルソナを決めること、ペルソナを想定して出版内容を決めることです。成り行きで出版すると、いつの間にか本来の目的からズレて、社長の立志伝になりかねません。