ここまで成功する企業出版のやり方について説明してきました。商業出版のような「本を売る」のとは、根本的に違うことが伝わったでしょうか。企業出版は、経営戦略と同じように考えねばなりません。単に本を出して終わりでは、社長の自己満足にしかなりません。第一に考えるべきは、戦略の基本である「誰に・何を・どのように」ということです。
・自社のターゲットは、誰か。
・そのターゲットに、何を伝えるべきか。
・どのように伝えるか、本が有効なのか。
本業におけるターゲットは、誰か。
「出版する」ことが目的になると、「誰に・何を・どのように」を忘れがちです。自社のターゲットは、どんな人でしょうか。その人が、本を全く読まない層であれば、企業出版をする意味はありません(本を出していることで盲目的に信じる層なら別ですが)。自社のターゲットが、どんな人なのか。どの程度、本を読んでくれる人なのかを想定しなければなりません。誰がターゲットなのかを明確にする際、間違ってはならないのは、あくまで「自社」のターゲットであり、「本」のターゲットではないということです。
そのターゲットに、何を伝えるべきか。
一般の消費者向けの本に、専門的な用語を入れても読まれないですし、企業の技術者に向けて簡単な内容では、バカにされます。その読者が、どんな内容の本を読めば、自社の本業に関心を持ってくれるのか。如何に内容が面白いものでも、本業につながらない内容では意味がありません。何を伝えるべきかを明確にして、本の構成を考えましょう。
どのように伝えるか、書籍は有効なのか。
適切なターゲットに、適切な内容を伝えるにあたり、それをどのように伝えるのが良いのか。そのために、書籍を出すのは有効なのかを考える必要があります。そもそも本を出さない方が、本業には良い場合もあります。書籍以外の方が、費用対効果が高い販促手段があれば、そちらを採用した方が良いのです。経営視点で考えれば当たり前なのですが・・・。この辺が、企業出版を手掛ける出版社や出版コンサルタントに相談すると、うまく行かないところです。出版させるのが彼らの仕事なので、出版しないという選択肢はハナからありませんから。企業出版は、「経営の視点」で考えられる会社に相談しましょう。