人気があっても
「取次・再販・委託販売」という日本の出版業界ならではの仕組みは、時に「ベストセラー倒産」を生み出します。「ベストセラー倒産」は、急速な勢いで売上が伸びていた商品やサービスを提供している企業が突然倒産することを指します。
例えば、出版した新刊の売上が大きく伸びたとします。出版社としては、宝くじに当たったようなものなので、本を増刷します。増刷して本屋に並ぶ数も増えると、更に売上が伸びます。本を増刷すればするほど、売れるのですから、出版社としては勢いよく増刷を繰り返します。
しかし、ベストセラーとはいえ、どこかで頭打ちになります。ブームが去ると、増刷した本は売れ残り、書店から大量に返本されます。通常の商売では、小売店に卸してから返品になることは無いですが、委託販売の書籍の場合は、売れ残ると返本されてしまうのです。すると、出版社が借りている倉庫が不良在庫の山となります。印刷製本代も支払うことが出来ず、あっという間に資金が足りなくなるのです。
商業出版を行う中小の出版社は、ベストセラー倒産の怖さを十分に知っているため、売れる本でも一気に増刷したりしません。少しずつ長く売れる本に期待します。あなたが、商業出版でベストセラーを出して一気に有名になりたいと思っているのであれば、大手出版社に原稿を持ち込んだ方が良いでしょう。