本が売れない
出来ることなら「商業出版」で出したい、と思うのは自然ですが(※商業出版・自費出版・企業出版の違いについては、こちらに詳細)。作者側にコストが掛からず、自社の宣伝ができ、何百万部も売れて夢の印税生活が・・・なんてことになれば良いのですが、現実は厳しいのです。
「出版不況」という言葉は耳にしたことがあるでしょう。日本国内における書籍の出版市場は、ゆるやかに下降線を辿っています。1996年には1兆931億円だった市場が、2021年には6,804億円へと約4割も減少しています。出版科学研究所によれば、書籍がゆるやかな減少で踏みとどまっているのは、児童書や学習参考書など教育系分野の需要が底堅いからとのこと。
文筆業を生業としている人達が必死になっても、縮小している市場です。本業が別にある素人が商業出版で本を出しても、そう売れるものではありません。

(出所:出版科学研究所)
人は話し方が9割
近年売れたビジネス書といえば、「人は話し方が9割」(すばる舎)です。2019年9月の発売以来、版を重ね、2022年12月1日現在で32刷115万部を突破しているミリオンセラー。年間ベストセラーランキングでは、日販(日本出版販売)のビジネス書部門で3年連続で1位を獲得しています。ここで伝えたいのは、「人は話し方が9割」が、非常によく売れた本だということ。そして、史上初の3年連続1位のビジネス書でさえも、115万部だということです。ビジネス書は、ハリーポッターのように、2,000万部以上も売れるようなものではありません。
2022年の年間総合ベストセラー(集計期間:2021.11.22~2022.11.21)

さて、上記の2022年の年間総合ベストセラーに並んでいる本を見て、「私でも売れそう」と思ったら商業出版を目指して大手出版社に本を出したいと連絡すると良いです。きちんと現実を教えてくれることでしょう。こんなに売れる本は「私には無理かな」と思った常識的なあなたは、商業出版の夢はきっぱりと諦めて、企業出版を目指しましょう。
売れないことを前提で考える
何度も書きますが、商業出版で本を売ろうとしないことです。経営者やマーケティング担当者ならば、本が売れない前提で、書籍という営業ツールを、どう生かすかを考えることが大事です。売るべきは、本ではなく、自社の商品です。企業出版においては、本はあくまでも自社商品を知ってもらうためのツールだと割り切りましょう。